「北海道の暖房はエアコンだけでは寒い」と言われていましたが、本当にそうなのでしょうか?
エアコン暖房が主流の地域から、北海道に住むことになった人は気になりますよね。
- 良い部屋を見つけたけど暖房がエアコンのみ
- エアコンだけで北海道の冬を越せるか心配
- エアコンしか使ったことないから北海道でも使いたい
そんな声が聞こえてきます。
僕は家を建てた時に「エアコン暖房だけでは無理」という言葉を真に受けて、エアコンを選びませんでした。
しかし今になって「実際エアコンだけでもイケんじゃね?」と考えるようになり、詳しく調べてみることに。
この記事では、北海道でエアコンをメイン暖房にすることについて解説していきます。
- 北海道の冬をエアコン暖房だけで越せるか
- エアコン暖房を使うメリット・デメリット
- エアコン暖房にかかる電気代と節約方法
北海道はエアコン暖房だけで乗り切れるようになった
結論から言いますと、今の時代エアコン暖房だけでも北海道の冬を乗り切れるようになりました。
ただし、ここ最近(2024年現在)の上位グレードの寒冷地エアコンに限ります。
ちょっと前までのエアコンの性能では、北海道の冬を乗り切るのは難しかったようですね。
しかし、ここ最近(2024年現在)の寒冷地エアコンは、
- 暖房能力
- 霜取り運転
- 立ち上がりの速さ
などの性能が格段に上がっているようで、-20℃を下回る地域でも充分暖かく過ごせます。
ですが賃貸や中古住宅だとエアコン暖房だけで北海道の冬を快適に過ごすのは難しいかもしれません。
なぜなら備え付いているエアコンが、近年発売された上位グレードの寒冷地エアコンじゃないことが多いからです。
賃貸に住む場合は、エアコン暖房だけで豊かな暮らしを送ることをあきらめましょう。
中古住宅の場合は、ここ何年かで発売された上位グレードの寒冷地エアコンに買い替えれば、エアコン暖房だけでイケますよ。
北海道でエアコン暖房を使うメリット・デメリット
次に、エアコン暖房だけで北海道の冬を乗り切るメリットとデメリットについて解説してきます。
エアコン暖房を使うデメリット
他の暖房器具ではなく、北海道でエアコン暖房を使うデメリットは3つあります。
- 外気温によってコスパが落ちる
- 家が乾燥する
- 足元が寒くなりやすい
寒冷地仕様のエアコンの室外機には、寒さで運転が止まらないように霜取り機能が付いています。
実はこの霜取り機能を使っている時にも電気を使うんですよ。
-20℃を下回る地域が多い北海道では、霜取り機能を使う頻度が多くなり、コストパフォーマンスが落ちてしまいます。
またエアコン特有のデメリットとして、「乾燥」と「足元の寒さ」がありますね。
エアコンは空気を暖める時に水蒸気を出さないので、家の中が温度が高く湿度が低い(砂漠と同じ)状態になります。
空気は温度が高くなると含められる水蒸気の量が増えるので、その増えた分をどこかから持ってこようとする力が働きます。その働きが僕たちの身体から水分を奪っていくんですね。
エアコン暖房が乾燥するのは、このような原理が働いているからなんです。
また空気は暖かくなると上に溜まり、冷たくなると下に溜まるという性質を持っています。
特にエアコンは、他の暖房設備と比べると足元がかなり寒くなりやすいようですね(下のグラフ)。
引用元URL【日本床暖房工業会】:https://www.yukadanbou.gr.jp/
北海道の冬をエアコン暖房だけで過ごす場合、加湿器とサーキュレーター(扇風機)の併用をすると良いです。
エアコン暖房を使うメリット
一方でエアコン暖房を使うメリットもたくさんあります。
- 家の場所を取らない
- 安全性が高い
- 空気がキレイになる
- 夏に冷房としても使える
- 燃料を入れなくても良い
- 暖房費が安い
まずエアコンは壁の高い位置に設置するので、場所を取らずに家を広く使うことができます。
また燃料(灯油やガス)を使わないので安全性が高く空気をキレイにしてくれるのが、小さいお子さんが居る家庭には嬉しいメリットになりますね。
そして夏になれば冷房として使えるのも良いところです。
寒冷地とは言え北海道の夏は結構暑いので、年中快適に過ごせますね(2023年に札幌で36.3℃を記録しました)。
さらにエアコンは電気で動くので、暖房費が安く、燃料を入れる必要がないのも特徴です。
このようにエアコン暖房を使うメリットとデメリットを解説してきました。
良いところや悪いところも大切ですが、一番気になるのは電気代ですよね。
そこでエアコン暖房にかかる電気代についても触れていきます。
北海道のエアコン暖房にかかる電気代
それでは、北海道でエアコン暖房を使ったときの1ヶ月の電気代を計算してみましょう。
使うエアコンは、三菱電機2023年型VXVシリーズの「ズバ暖霧ヶ峰」と仮定します。かなりスペックの高い寒冷地仕様のエアコンです。
このエアコンを使うことと、その他の条件を合わせると以下の図のようになりました。
1日の稼働時間 | 消費電力 | 1kwhの単価(北電) | 家の広さ |
10時間 | 2.48kw | 36円 | 21~26畳 |
これは、北海道の-15℃の冬を想定しています。この状況下であれば毎日エアコンを使うでしょう。
それでは計算してみましょう。
計算式は「消費電力×1kwhの単価×1日の稼働時間×1か月の使用日数」になります。
先ほど設定した条件を当てはめると「2.48kw×36円×10時間×30日」となりますね。
これを計算すると『26,784円』となります。
「ん?これは安いのか?」と思う人も多いでしょうが、安いです。
スペックの高い寒冷地仕様のエアコンなだけあって、かなり安いです。
この条件で他の暖房器具を使うと、おそらく3万円以上かかるでしょう。場合によっては10万円を超えることもあるかも・・・。
とはいえ、暖房費はできる限り抑えたいものですよね。
そこで、エアコン暖房にかかる電気代を抑える方法も簡単に紹介します。
エアコン暖房の電気代を抑える方法
それではエアコン暖房の電気代を抑える方法をいくつか紹介してきますね。
1.電力会社を変える
1つ目は電力会社を変えるということです。
1年にかかる電気代を抑える方法として、一番おすすめな方法ですね。
この方法はエアコン暖房だけではなく、その他の家電にかかる電気代も安くなるんです。
2016年4月から電力自由化が始まり、今では北海道でも多くの電力会社から選べるようになりました(2024年現在)。
ですが、何でもかんでも電力会社を変えれば電気代が安くなるわけではありません。
- 現在の電力会社やプラン
- 家の設備
- 家族の生活サイクル
- 住んでいる地域
これらの条件で安くなる電力会社は変わってくるんですよね。
下手をすると「逆に電気代が高くなった!!」なんて事になりかねないので、電力会社の比較サイトを使いましょう。
僕はエネチェンジという電力会社の比較サイトを使いました。
電気代の比較シュミレーションがWEBで完結するし、選ぶ電力会社によってはキャッシュバックがあったりします。
エネチェンジリンク
自分や家族の状況に合った電力会社を選んでみてくださいね。
エネチェンジについて詳しく解説した記事は準備中ですので少々お待ちください。
2.エアコンの使い方を工夫する
2つ目は、エアコン暖房の使い方を工夫するということです。
電気代を安くするエアコン暖房の使い方はいくつかあります。
- 風は下向きにする
- 風量は自動に設定する
- 設定温度を見直す
暖かい空気は上に溜まる性質を持っています。
風向きを下にすることで、エアコンで暖められた空気が下から上へ動いていき、広い範囲を温めることができるんですよね。
また風量設定の自動は、とても効率的に風量を切り替えるようできています。
はじめはしっかり家を暖めるように強い風を出し、室温が設定温度に近づいてきたら弱い風に切り替えてくれるんですよ。
そして設定温度を見直すことで、かなりの電気代節約になります。
エアコン暖房の設定温度を1℃下げると消費電力が10%減ると言われていますね。
参照元URL【ダイキン】:https://www.daikin.co.jp/school/electricitysaving-winter/challenge05
何も考えずに温度を設定せずに、家がちょうど良い暖かさになるように温度設定を見直してみましょう。
3.家の寒さ対策をする
3つ目は、家の寒さ対策をすることです。
高性能の住宅じゃない限り、北海道では必ずやっておいた方が良いですね。
いくら性能の良いエアコンを使っていても、家自体の性能が良くないとすぐに家は寒くなりますよ。
北海道の家は本州の家と比べて暖かい造りになっていますが、暖房で家が全然暖まらない場合は寒さ対策をしましょう。
家が暖まりやすくなり、電気代もかなり節約できます。
家の寒さ対策については、別の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてくださいね。
寒冷地エアコンで北海道の暮らしを豊かにしよう
結論、近年発売された上位グレードのエアコンに限り、エアコン暖房1つで北海道の冬も暖かく過ごせます。
ただし賃貸や中古住宅に関しては、ここ最近(2024年現在)発売された上位グレードの寒冷地エアコンじゃないことが多いので寒くなることを覚悟しましょう。
また北海道でエアコン暖房だけで冬を乗り切る場合のメリット・デメリットについても解説しました。
- 家の場所を取らない
- 安全性が高い
- 空気がキレイになる
- 夏に冷房としても使える
- 燃料を入れなくても良い
- 暖房費が安い
- 外気温によってコスパが落ちる
- 家が乾燥する
- 足元が寒くなりやすい
そして一番気になるであろう電気代ですが、スペックの高い寒冷地仕様のエアコンであれば、他の暖房と比べても「安い」と思います。
僕も計算していて「エアコン暖房にしておけば良かったかも・・・」と少し後悔しましたね。
安いとはいえ、できるだけ電気代は抑えたいですよね。
そこでエアコン暖房の電気代を抑える方法についても解説しました。
- 電力会社を変える
- エアコンの使い方を工夫する
- 家の寒さ対策をする
必要以上の暖房費をかけずに、北海道の冬を豊かにあったかく過ごしましょうね。
コメント