北海道の冬は本州と比べて結露しやすく、窓が水滴でベチョベチョになるので対策が必要になります。
なぜなら結露を放っておくと、カビの発生や木材が濡れたりして建物にダメージを与えてしまい、大きな修理費が掛かる可能性があるからです。
お金が掛かるのもそうですが、カビが発生している家に住むのは嫌ですよね。
特に小さいお子さんが居る家庭だと、健康に与える影響も気になるところです。
そこでこの記事では北海道の冬を38年間乗り越えてきた僕が、結露が発生する原因と窓の結露対策について解説していきます。
- 結露の原因
- 窓の結露対策の方法
- 結露対策におすすめなグッズ
- 結露におすすめな住宅設備
結露を全くのゼロにすることは出来ませんが、簡単な対策で結露が気にならなくなるので窓の結露に悩んでいる人は実践してみてくださいね。
北海道の窓が結露しやすい原因
まずは窓が結露する原因について確認していきましょう。
北海道の冬に窓が結露しやすい理由を知っておくと、効果的に結露対策することができます。
結露は湿度と温度差によって発生する
窓の結露の原因は、「空気中の水蒸気=湿度」と「窓ガラス・サッシの温度と室温の差」です。
空気は温度によって水蒸気を含む量が変化する性質を持っています。
- 暖かい空気は多くの水蒸気を含めることができる=湿度が高くなる
- 冷たい空気は水蒸気を含む量が少ない=湿度が低くなる
この空気の性質が結露の原因となるんですよね。
暖かく湿度の高い空気が、冷え切った窓ガラスやサッシに触れることで空気の温度が下がります。
空気は温度が下がった分だけ水蒸気を含められる量が減り、溢れた水蒸気が水に変わって結露が出来てしまうんですね。
簡単にいうと「冷たい水が入ったコップに水滴が付く」のと同じ原理で結露が発生するということです。
北海道は室内外の温度差が大きい
そして北海道の冬に窓が結露しやすい原因は、本州と比べて室内外の気温差が大きいからです。
北海道の冬は地域にもよりますが、マイナス(-)30℃近くまで気温が下がることもあります。
性能がものすごく高くない限り、窓ガラスやサッシもマイナス温度でしょうね。
ですが暖房によって室内は本州と変わらないくらい暖かくなり、温度差が大きくなり結露が発生しやすい環境になってしまうんですね。
このような理由で、北海道の冬は結露が起きやすくなっています。
北海道の冬は室内干しが基本
さらに言うと北海道の冬は寒すぎて外に洗濯物を干せず、家の中の湿度が高くなる傾向にあります。
北海道では冬に天気が良くても、洗濯物を乾かすときは室内干しか衣類乾燥機を使う家庭しかないんです。
外に干したらパキパキ凍ってしまうんでね。
室内干しすると室内の湿度は上がりますし、ドラム式洗濯機の乾燥機能を使っても湿度は上がってしまいますよね。
そうなると必然的に北海道の冬の家は湿度が高くなり、結露ができやすくなってしまうんです。
では北海道の冬は、どのように窓の結露を対策すればよいのか?
その部分についてポイントを解説していきますね。
冬の窓の結露対策のポイント
それでは冬の窓の結露対策のポイントについて解説していきます。
窓の結露対策のポイントは大きく分けると「室温・湿度の管理」と「窓ガラス・サッシの温度」です。
1.湿度を上げ過ぎない
1つ目のポイントは、湿度を上げ過ぎないことです。
湿度が高ければ高いほど、窓に結露ができやすくなります。
体感温度や体調のことを考えると「40~50%くらい」でキープすると良いですね。
除湿器や換気などで湿度を調整して40~50%付近に保つようにしましょう。
また観葉植物や水槽など、湿度を高めるものがある場合はそこも考慮して調整しましょうね。
2.室温は22℃付近を保つ
2つ目のポイントは、室温を22℃付近に保つことです。
室温が高いと空気に含まれる水蒸気が多くなり結露ができやすくなるので、なるべく窓ガラスやサッシの温度に室温を近づけるのがポイントになります。
本当は結露対策の事だけを考えると20℃くらいが良いのですが、北海道の冬を快適に過ごすことを考えると22℃がベストだと考えます(それってアク太の感想ですよね?)。
3.空気を循環させる
3つ目のポイントは、空気を循環させることです。
窓の周辺は湿気が溜まりやすく、常に結露が出来やすい状態になっています。
さらに暖かい空気は上に溜まる性質を持っているので、窓ガラスやサッシは温まらず温度が低いままになり、結露ができやすい状態が続いてしまうんですよね。
そこで結露対策として、サーキュレーターを使って家の空気を循環させるのが効果的です。
そうすることで、窓の周辺にとどまっている湿気が循環するし、上に溜まった暖かい空気が循環することで温度ムラが無くなります。
さらに暖かい空気を循環させながら窓に当てることで、ガラスやサッシの温度が上がり結露ができにくい状態を作り出すことができるのです。
サーキュレーターの効果的な使い方は別記事で詳しく解説しています。
4.窓付近に水蒸気を出さない暖房を設置する
4つ目のポイントは、水蒸気を出さない暖房を窓の近くに設置することです。
そうすることで、窓ガラスやサッシの温度が上がり結露しにくくなりますよ。
水蒸気を出さない暖房器具はたくさんあります。
- FF式ストーブ
- エアコン
- 電気ストーブ
- パネルヒーター
これらの暖房器具を窓の近くに配置できる場合はやってみてください。
逆に水蒸気を出すタイプの暖房器具は窓の近くに置いてはいけません。
- 石油ストーブ
- 石油ファンヒーター
- ガスストーブ
- ガスファンヒーター
これらの暖房器具は多くの水蒸気を出すので、窓の近くに置くと結露が出やすくなり逆効果になります。
ここまで窓の結露対策のポイントを解説してきました。
しかし、これらのポイントを意識しただけでは「結露が少し減ったかな?」くらいです。
次は結露が気にならなくなる、結露対策グッズを紹介してきますね。
北海道のベチャベチャ窓に役立つ|結露対策グッズ4選
それでは結露対策グッズを紹介していきます。
結露対策のポイントを意識したうえで、これから紹介するグッズを使えば結露は気にならなくなるでしょう。
結露吸水テープ
1つ目は、結露吸水テープです。
これはどちらかというと「できてしまった結露への対策グッズ」ですね。
結露吸水テープは、窓ガラスの下部に貼ることで結露水をサッシや窓枠まで流れ出ることを防止してくれます。
その効果によって、サッシのカビ抑制や結露水による木材へのダメージを防止をしてくれるんです。
北海道の冬に結露をゼロにすることはできないので、結露による被害を抑えてくれる吸水テープを使うことで、結露を気にしなくても良くなりますね。
結露防止スプレー
2つ目は、結露防止スプレーです。
結露防止スプレーは吹きかけることで窓ガラスに薄い膜を作り、水滴を吸収することで結露を防止してくれるグッズになります。
ぶっちゃけ言いますと、北海道の冬の窓には「やらないよりはいくらかマシ」くらいの効果だと思ってください。
実際に僕も試してみたことがあって、最初のうちはチョット少なくなりましたが、時間が経つにつれて普通に結露するようになりましたね。
しかし結露防止スプレーには、除菌・防カビ効果があるものもあります。
ですので、結露によるカビに悩んでいる人には良いグッズだと思いますよ。
窓の断熱グッズ
3つ目は、窓の断熱グッズです。
窓の結露は窓ガラスやサッシの温度が低くなることが原因の一つになります。
そのため窓の寒さ対策をするということは、窓の結露対策をすることと同じ効果があるんですよね。
窓の断熱グッズの中でも、結露対策におすすめなのが「断熱シート」です。
「結露防止シート」という名前で売られていることもありますよ。
窓ガラスに直接貼り付けるタイプと、マジックテープで貼り付けるタイプがありますが、結露対策として使うなら「窓ガラスに直接貼り付けるタイプ」がおすすめですね。
窓ガラスに直接貼り付けることで、家の中の暖かい空気と窓ガラス面の温度差が少なくなり、結露しにくい状態を作ることができます。
「マジックテープで貼り付けるタイプ」は、窓ガラスと断熱シートの間に空間ができてしまい、その空間の中で結露してしまう場合があります。
窓ガラスに直接貼り付けるタイプの断熱シートを使って、結露を少なくしましょう。
結露対策・予防に役立つ住宅設備
これまで結露対策のポイントやグッズを紹介してきましたが、住宅設備にも窓の結露対策になるものがあります。
賃貸であればこの設備がある家を選ぶしかありませんが、持ち家の場合はリフォームで取り付けることができますよね。
そこで結露対策・予防になる、おすすめしたい住宅設備を紹介していきます。
賃貸選びをする時やリフォームを検討する時に参考にしてください。
二重窓・複層ガラス
二重窓や複層ガラスは窓ガラスが冷えにくく、結露が少なくなる住宅設備です。
室内側のガラスが直接外気に触れることがないし、ガラスとガラスの間に空気層があるので、とても冷えにくいですよ。
窓ガラスが冷えにくいということは、結露ができにくいという事になりますね。
北海道の冬には二重窓よりも複層ガラスの開き戸がおすすめですね。
僕が使っているのが複層ガラスの開き戸なんで。
二重窓は外気に触れているガラスが結露してしまうことがありますが、複層ガラスはガラスフレーム(框)の中に窓ガラスが収まっているので外気に触れているガラスは結露しません。
さらに開き戸であれば窓にできる隙間が少ないので、窓ガラスやサッシが冷えにくくなり結露が少なくなりますよ。
開き戸画像
樹脂サッシ
樹脂サッシは外気温の影響を受けにくく、外がマイナス気温でも結露しづらい設備なんです。
また樹脂サッシは、ガラスフレーム(框)の中に空気層を作ることができるので、さらに冷たくなりにくいんですよね。
僕も樹脂サッシの家に住んでいますが結露しているのを見た事がありません。
逆にアルミサッシは、樹脂サッシの1400倍も外気温の影響を受けてしまうのでとても結露しやすいです。
それどころか、北海道の冬の気温だと結露水が凍りついてしまい窓が開かなくなってしまうんですよ。
賃貸選びの時やリフォームをする時は、迷わず樹脂サッシを選びましょうね。
24時間換気システム
24時間換気システムは、その名の通り24時間ぶっ通しで換気してくれる設備です。
常に家の中の空気を入れ替えてくれるので、湿度が室内に溜まりにくく結露しにくくなります。
2003年の建築基準法の改正で、すべての建物に24時間換気システムが導入されているので、それ以降に建った家であれば備え付けられている設備ですね。
僕も2022年に新築で家を建て、24時間換気システムがあるので結露はほとんど気になりませんね。
ぶっちゃけ高性能な新築の家でも結露はある
これまで結露の原因や対策について解説してきましたが、北海道の冬に結露をゼロにすることは難しいです。
実際、僕も2022年に高気密・高断熱な家を建てましたが、気温がマイナス20℃を下回る日には結露が少し出てきますね。
でも窓がベチャベチャになるくらい結露がひどくなることは絶対ありません。
ですので、結露ゼロを目指すのではなく「結露による被害を最小限にする」ことが大切です。
- カビやダニ
- 建材へのダメージ
- 健康リスク
これらの結露による被害がなければ、そこまで気にする必要もないでしょう。
日々の生活で結露のことが気にならなくなったら、それは結露対策が成功しているということですね。
窓の結露対策で北海道の冬を快適に過ごそう
まず始めに窓の結露が起きてしまう原因について解説しました。
- 湿度の高さ
- 窓ガラス・サッシと室温の差
- 外が寒い北海道は結露しやすい
- 北海道の冬は室内干しか衣類乾燥機
北海道の冬は外がマイナス気温になるので、窓ガラス・サッシが冷たくなりますが、室内は暖房が効いていて暖かいので結露しやすくなってしまうんですね。
また冬の洗濯物は室内干しか衣類乾燥機を使うしかないのも結露しやすい原因の一つです。
そして窓の結露対策のポイントは「室温・湿度の管理」と「窓ガラス・サッシの温度」です。
ですがこれらを意識しても窓の結露はゼロにはならないので、結露対策グッズを使っていきましょう。
- 結露吸水テープ
- 結露防止スプレー
- 窓の断熱グッズ
僕の中では「プラスチックダンボール二重窓」と「結露吸水テープ」一緒に使うのがおすすめですね。
またグッズだけでなく、結露対策・予防になる住宅設備もあります。
- 二重窓・複層ガラス
- 樹脂サッシ
- 24時間換気システム
これらの設備が付いている家に引っ越すかリフォームで設置すれば、結露の事は気にならなくなるでしょう。
ですが結露対策を意識したり高性能な家に住んでも、北海道の冬は結露が起きてしまう可能性が高いです。
あくまでも「結露による被害を最小限にする」ということを意識するようにしましょうね。
あなたが結露しやすい北海道の冬を、快適に過ごせることを願っています。
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